講演をすると満員になるロミさん

 

山下公園で。笑顔が眩しいロミさんとツーリング⇒

 友人のロミさんは横浜の中華街に住んでいます。ロミ(中野裕弓さん)には多くのファンがいて、すでにご存じかもしれません。世界銀行で人事をやっていて、その頃の活躍もユニークでしたが、その後、講演やFMの番組でのロミさんのお話も面白かった!です。10年前、脳出血により後遺症は残っていますが、更に冴えている気がします。このこと(後遺症)ですら「すべてが予定通りよ」と言うロミさんは、自分を鼓舞しているのでもなく、自然体です。家を出たら中華街という抜群の地の利で、一緒にそばの山下公園を散策しました。

山下公園の、海を前にして右端にある「ガウデイを連想させる場所」をご存じでしょうか。あまり人が来なくて穴場です。みなとみらいの観覧車まで見渡せられます。

この日、ロミさんから「車椅子2台でツーリングしましょう」というお誘いを受けて、私は電車で行きました。4月末は薔薇のつぼみが固く、山下公園は新緑の眩しい中、中華街とは逆に人が少なくて楽しいツーリングでした。

 

 

←(遠くみなとみらいの観覧車が見えます。

ロミさんの車いすはウイル。私とロミさんの間のオブジェが、ガウディ?を

連想させるもの)

 

 

(海に向かって右手の一番端(人形美術館の近く)に、こんなオブジェの数々があります。観光客が少なく、地元の人の散歩コースのようです。)→

10年近く前に発症、右半身の後遺症のリハビリをしていたころのロミさんの話しをします。

懸命にリハビリをしていたロミさんは杖を使っても歩くには危うくて、数メートル進むのに疲れていました。人とぶつかると,簡単に倒れてしまうので、あまり外へは出ていませんでした。車いすに乗ったら?しかも電動に乗ったら、電車で独りでも出かけられますよ、と提案していました。でもそんなことをしたら、リハビリで杖を使って歩く努力していることに逆向してしまう。もっともっと頑張らないといけないのに、と言うのです。

疲れが垣間見られました。

ひとみ「え?一生、リハビリするんですか?」と聞き返してしまいました。

ひとみ「リハビリのゴールが元の体に戻るならば、それも有りですが、後遺症が残ることは否めない、精一杯の努力の最終結果がある程度見えているならば、その状態でのQOLを最大にすることが大事ですよ。」と言いました。

ひとみ「リハビリしているうちに寿命がきちゃったなんて、冗談でも面白くない」とまで言いたいところをグッと堪えました。

ロミさん「あなたが颯爽と車いすで動いている姿を見て、かっこいいなと思うけれど、私には無理って思っちゃう」というのです。

ひとみ「別にかっこよくないですよ。普通です。そんな人、いくらでもいますよ」と。

そして数か月後に、ロミさんは電動車いすを手に入れていました。

ロミさん「杖で一生懸命に歩かないといけないと思いこんでいたけれど、とても疲れてしまい、出る気力も無くなっていたわ、それに杖だと、ぶつかると転ぶという恐怖があったけれど、電動を手に入れてから楽になって、仕事で岡山に行ってきたわ。」その後、インドへアーユルベータに行く、沖縄にも行く。FM大阪の仕事も再開したと言う。

 

何よりも人に気兼ねなく一人で出られるという気楽さは、失ってみて気づくものです。どんどん自信を取り戻してきたように思えて私も嬉しかったです。

 

←(ホテルニューグランド近くにある、アストンマーチンのショールームでランチが出来ます。豪奢ながらカジュアルなランチもあり、静かに話せてお勧めです)

考えてみれば簡単な話です。皆さんが歩く、少し遠くは自転車にする、車を運転するというアクセスを手に入れているのと同じですね。基本となる足を手に入れること。それは杖、車いす、電動のもの、手で運転できる車、UDの整ったバスや電車や飛行機など、アクセスの方法が多くあれば助かるという話です。